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■2月17日 第59回「安吾忌」レポート
*(渡辺 麻実子)
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2月17日(日)に、東京・神保町の如水会館で安吾忌が行われました。会場に入ると(リニューアルしたようでゴージャスな内装になっておりちょっと驚きました)そこここで「1年ぶりだねえ」という会話が聞こえてきました。私もそこにお邪魔して「どうもどうも」「お元気ですか?」

開会宣言ののち安吾研究会の浅子逸男さんによる献杯のご発声で安吾忌が始まりました。そして今年も松之山安吾の会から坂口安吾ゆかりのお酒「越の露」をいただきました、とアナウンス。これはとってもおいしいお酒です。坂口安吾といえば、の「角瓶」ももちろん用意されています。

その後松之山安吾の会の高橋主計さんから、新会長・村山黄三郎さんの紹介がありました。高橋さんのお顔を拝見するたびに「松之山に行きたい…」と思ってしまいます。また筑摩書房の中島稔晃さんからはこのたび別巻刊行により完結した安吾全集のお話が。めでたい!

「ご歓談」のあとは今年のイベント、漫画「戦争と一人の女」を上梓された近藤ようこさんと映画「戦争と一人の女」の監督、井上淳一さんによる対談です。まずは映画「戦争と一人の女」のプロモーションビデオが上映されました。昨年井上さんがこの壇上で映画に対する決意を語っていらしたんだよなあ、と見ていてなんだかじーんと来てしまいました。おふたりの対談で印象に残ったのは、漫画も映画も「男」側の視点と「女」側からの視点の両方を使ったダブルナレーションを採用しているという偶然です。また近藤さんの、「女」は「男」の孤独を映す中がカラッポな装置なんだ、という言葉を聞き、私事ですがまさにそんなテーマで卒業論文を書いたことを思い出しました。

さて次はついに坂口綱男さんの登場です。毎年思うことですが、なんてお話が上手なんでしょうか。最後に「閉会の言葉をやることになるでしょうからではまた後ほど」と壇上を降りていきました。

女優の千賀ゆう子さんからは恒例の坂口安吾作品を語る朗読会の報告、桐生の奈良彰一さんからは3月10日に行われる「桐生 安吾忌の集い」の案内がありました。

さて次は、毎年恒例「安吾カルトクイズ」です。今年はサービス年で簡単、などと言われていましたが「どこが?」でした。成績は10問中6問正解で坂口安吾『明日は天気になれ』というエッセイ集の初版本を無事ゲット! 坂口綱男さんから「この本を中学生のときに授業中に読んでいたら教師に没収されたまま返してもらっていない」というエピソードを聞きました。先生はまだ持っているのでしょうか。ちなみに景品の初版本たちは神保町「けやき書店」さんからご提供いただきました。佐古田亮介さんありがとうございます。

カルトクイズの興奮が冷めやらぬまま(私もいろいろな人に自慢していました)、NHKアナウンサーの荒木美和さんのスピーチです。この安吾忌である「縁」が判明したそうで映画「戦争と一人の女」の取材への意欲を語ってくれました。そして、安吾研究会の山根龍一さん、大原祐治さん、加藤達彦さんから3月下旬刊行予定の「坂口安吾論集」第4号の紹介、新潟市文化政策課の小林瞳さんからは安吾賞や「安吾 風の館」の展覧会に関する紹介がありました。

「ではまた後ほど」の言葉通り閉会の言葉は坂口綱男さん。

今年も安吾忌が終わってしまった、とぼんやりしているヒマもなく二次会会場へ。二次会では毎年のことながら坂口安吾の話はせず(おそらく私のいたテーブルだけかと思います…)、がやがやと大変楽しく過ごしました。帰りの電車ではさっそく『明日は天気になれ』を広げてみました。軽くて良いエッセイ集でこれから読み進めていくのが楽しみです。

来年の安吾忌はついに60回。何かスペシャルがあるのでしょうか。さすがに鬼に笑われそうですが今からなんだかワクワクします。安吾忌に行ってみたいけれどどうしよう…と参加に二の足を踏んでいる方がいらっしゃるかもしれません。安吾忌が気さくで楽しい会であることは私が保証します。皆さまのご参加をぜひお待ちしております。

   

 
安吾忌写真
会場の様子
 
安吾忌写真
浅子逸男さんによる献杯のご発声
 
安吾忌写真
近藤ようこさんと井上淳一さんによる対談
 
安吾忌写真
坂口綱男さん
 
安吾忌写真
安吾カルトクイズの賞品。貴重な安吾専用原稿用紙も。