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 二つの作品は、ほとんど同じ時期に書かれているので、訂正や書き込みについては、同じことが言える。すなわち、読みやすくするための副詞や形容詞の書き込みを含めて、安吾の場合、推敲の過程で具体的にものごとを表現しようとする傾向がみられる。すなわち、「勝負師」10頁の3行目「応接間」に「薄暗い」という形容詞をつけたり、20頁の3行目「否定した」に「きびしく」を書き込んでいる例。「肝臓先生」で5頁の6行目の「石」に「大きな」を加筆、11頁の7行目「海面」に「暗い」をつけているのがそれにあたる。この見方で原稿の加筆訂正をみていくと納得がいく。

 内容的には、生原稿を見て作品の読みが変わるなどという発見は見あたらないが、興味深かったことは「肝臓先生」の6頁の11行目以降に、フランス語が片仮名表記になっていること。実は最初にフランス語が書かれ、それにルビのように仮名が付けられていることがわかる。このことは、安吾が東洋大学在学中、梵語の勉強のために、必要なフランス語を、語学学校アテネ・フランセへ習いに行って猛勉強したとう例証になる。
 安吾文学の出発点が、アテネ・フランセで同人誌「青い馬」にあることは、よくしられているところである。

 こんなふうにみてくると、生原稿からまだまだ、おもしろい発見や読み取りができる。

 ここでひとつ宿題を。「肝臓先生」の48頁と49頁の欄外にある「鴨」と「Kamosida」は何を意味するのか。この原稿の活字を拾った印刷所の社員の名前かと考えてみたが、それならまだほかに、固有名詞の記入があってもいいような気もする。謎のままである。

 “よーく考えよう、生原稿はおもしろいよ”
   
   
 
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