ライスカレー100人前事件
安吾が指南!人生の成功プラン
「信長」
信長十五の年に美濃の斎藤道三へ攻め込む前日の深夜から物語が始まり、桶狭間で今川義元を破るまでが描かれている。その間、斎藤義龍の存在、父信秀の死、清洲衆の脅威、弟信行との確執など様々な難題が待ち受けているのだが、信長はそれらの問題を間諜作戦や、鉄砲や長槍による独自の兵法などで鎮め、混沌とした尾張を平定するのであった。

今なお最も人気のある戦国武将、織田信長。武功にもすぐれ知恵者である彼の半生を歴史小説というジャンルに忠実に従いながらも非常に現代的な表現を用いて描いたこの物語には、数々の困難を乗り切るための徹底した合理精神と豊かなアイディアが非常に細やかに語られている。一般的に天下人となるためのきっかけとなった桶狭間の合戦以前の信長を読み解くことで、出世をするための秘訣が必ずや見つかるだろう。
 
「イノチガケ」
一五四九年にキリスト教が伝えられ、その後日本切支丹は信長の庇護、秀吉、家康の弾圧を受けて一七〇〇年に全滅した。しかし、一七〇八年にシドチ(ヨワン・シローテ)は教皇の命で日本に潜入し布教活動をしようとするのだが、すぐに捕らわれ江戸に送られる。そして新井白石らによって数度の審問を受け、その結果シドチは徳川家宣の選択した策によって生涯囚人として幽閉されるが、その結果日本人夫妻を信者として得る。だが、殉教を覚悟し…。

智者であるシドチがもう一人の智者である新井白石と、時の権力者徳川家宣によって裁かれるこの物語。「出世」というキーワードからこの物語を読むうえで注目すべき点は、シドチの処遇に対して提案された三つの策ではないだろうか。果たして、日本が採択した方法は正しかったのか。本当に賢いものとはなにか。ということを多く考えさせる一作である。
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